心の種蒔き

しょうぐうさん
 いいお天気の京都東山です。今朝も青森から参拝に来られた方がおられました。外国人といい遠方からのご参拝ありがとうございます。昨今、SNSなどで簡単にインターネット上に情報発信できるようになったおかげなのかと思います。

 さて、「今日彼岸 菩提の種を 蒔く日かな」という俳句をご存知でしょうか。毎年お彼岸が近づくと各地の寺院で見聞きする、松尾芭蕉の句とされる俳句です。

 どんな小さな草花でも、種が蒔かれないと花を咲かせて実を結ぶことは出来ません。実りの時季である秋のお彼岸は、このように私たちの実りのために種を蒔かねばならいことを教えてくれます。

 実は、自分の心の中には、仏性(ぶっしょう)といって、すべての生き物には仏となる性質(可能性)が心の中に存在しているとされています。種と説明する方もおられますが、これを育てて実を結び、つまり、発揮することで仏さまになれるというのです。あまり難しく考えてもわからないので、まずは、人間として最も大切な「すべてのいのちを尊ぶ」という心構えからはじめてみるのもよいのではないでしょうか。もちろん、お寺でのお彼岸の行事に参加したり、お墓まいりをしたりすることも、そのためのお修行として大切なことです。

 お墓参りをされる時は、お寺の本堂へもお参りされ、ご先祖さまを守り導いて下さっているご本尊さまにご挨拶して、できればご住職にも一声かけてから、お墓へおまいりされるようにおすすめします。今日も楽しい一日を。