黒の日

道服・輪袈裟
 いいお天気の京都東山です。予想最高気温は35℃と、日中はまだまだ暑いです。

 さて、今日の暦には「黒の日」とあります。「く(9)ろ(6)」の語呂合せで、京都黒染工業協同組合によって1988年に制定され、伝統染色の黒染めをPRし、黒紋服や黒留袖の普及を図る日だそうです。

 我々僧侶のイメージカラーといえばやはり「黒」でしょうか?法衣にもいろいろ種類がありますが、一番着用の頻度が多い法衣は「道服(どうふく)」だと思います。普段の生活ではそうですが、檀家さん宅へのお参り、研修会、簡易な宴席などにも着用しています。つまり、普段着として用いられている衣となっています。直綴(じきとつ)という法衣を簡略化したもので、他の法衣と比べると袖が小さくつくられています。振袖と留袖の違いみたいな感じです。そして、道服を着用したときは首から輪袈裟をかけることになっています。駅伝で渡し合うタスキのようなものです。夏用、冬用、記念品と様々な種類があって、功労者などにしかつけられない輪袈裟もありますよ。

 ちなみに、直綴は、慈覚大師さまが唐へ行かれていた時に、会昌の廃仏に遇われ、僧侶であることを隠すために、袍と裳を縫い合わせて儒教の衣のように見せかけたのがはじまりと言われています。朝夕の勤行や、墓前で回向のお勤めをするときなどに着用します。

 ところで、食べ物として黒いものとしては、黒酢、黒ゴマ、イカ墨など黒い食べ物は体にいいとかいわれてますよね。食べ物以外にも、洋服、家電、名探偵コナンでは黒づくめの組織などなど。さぁこれで、今日は黒いもの目に入ってしかたなくなることでしょう。今日も楽しい一日を。