ハンコの日

 薄曇りの京都東山です。今日も暑いですですけれど、丑の日なので、うなぎを食べてのりきりましょう。

 さて、今日は「ハンコの日」だそうです。日付を「ハ(8)ンコ(5)」と読む語呂合わせから、山梨県甲府市の印判総合商社であるモテギ株式会社が制定したとのことです。

 お寺でハンコといえば朱印ですよね。最近では外国人の方もお求めに来られるようになりました。英語でハンコは、stamp(スタンプ)といい、朱肉の押された印影はseal(シール)というのだそうです。シールといわれると、貼るもののように思うのですが。

 受付では、「ゴシュイン、オネガイシマース」と依頼されますから「notebook please」と応対します。外国人が日本語で、日本人が英語を話すというシュチュエーションです(苦笑)。ただ、朱印帳ではなくて、普通のノートを出される場合もあって、さすがに墨では書けませんから、その時は、筆ペンで書きます。お断りされるお寺もあるようですね。

 朱印は、もともと写経を寺に納めたときにいただける「納経の証」だったところから変化して「参拝の証」という意味を持つようになりました。したがって、参拝をしないと意味をなさないものです。昨今、絵が描かれたり、個性豊かに芸術性が高い朱印が発行されるようになり、それが、インターネット上で売買されるようになりました。寺としては問題視していますが、おさまる気配はありません。仏さまと私たちのご縁の証としても大切にしてもらいたいところです。

 また、朱印を集めますと参拝記録にもなりますし、朱印帳を見返すと、「そういえば、ここへ参拝したとき、こんなことがあったなぁ」とか、「あれ、ここはどんな寺だったけ?」などと振り返られるのは楽しいひとときです。

 一説には、私たちがあの世へ旅立つときに朱印帳をお棺に入れて持っていくと、手形とかあの世の地図、道標になるとか聞いたことがあります。棺に入れてもらうように今から頼んでおくのもいいかもしれませんね。

 いずれにしても、朱印の本来の意味をお考えいただき、たくさんの仏さまとのご縁を結ばれますことをお願いします。今日も楽しい一日を。