二百十日

 雨が降ったりやんだりの京都東山です。九州を襲った迷走台風は、現在は紀伊半島のあたりを通過中のようです。雙林寺界隈は雨も風も強くないですが、これからどうなるか心配なところです。

 さて、今日は二百十日となります。立春から数えて二百十日目のことで雑節の一つです。大体は、9月1日に迎えることが多いですよね。徳川幕府の初代天文方であった渋川(安川) 春海(1639~1719)は、品川の漁師から、立春から数えて、二百十日めは午後から大荒れになると教わり、後に貞享暦に、雑節のひとつとしてこれを採用したそうです。

 この頃は台風がやってくることが多く、農家にとっては、せっかくの稲穂が暴風雨によって被害に遭わないか心配です。漁師も海が荒れて漁にでられませんから、死活問題です。 

 そこで、二百十日には、風鎮め・風祭り・風日待ちなどと称して、各地で無事に過ごせるようにと神仏に願う行事が行われます。日本では風を単なる自然現象ではなくて、目に見えない霊的なものの仕業とされていたようです。神無月には「神送風(かみおくりかぜ)」が吹きますし、東北地方では、風の又三郎とか呼びますよね。風神雷神では鬼のように描かれています。霊的なというか、妖怪みたいな感じです。

 いずれにしても、自然現象と上手く付き合っていくしかなかったわけで、我々の思い通りにいかないからといって腹を立ててもどうしようもありません。何とかその気持ちを鎮めたり、被害が起こらないようにと、風の神さまに大声をあげて、「風の神さま助けてくんなされませ」とお願いしたわけです。

 ところで、昨今、いわゆる逆ギレ切れの方が増えているようですが、日頃から怒りを鎮める訓練をしていれば、逆ギレや揉め事も減るように思うのですよね。今日も楽しい一日を