紅葉狩り

 曇の多い京都東山です。今日は一粒万倍日となります。何かを始めるにはいい日とされていますが、借金をすると膨らんでいくので、凶となりますからご注意を。そして、今朝は気温が下がったので、紅葉が赤くなったかと思いきや、まだまだ色づいてはいませんでした。

 ところで、紅葉を見ることをなぜ、紅葉鑑賞ではなく「紅葉狩り」というのか調べてみました。一般的に「狩り」は、野生の鳥獣を捕らえる狩猟のことですが、他にも、果物や山菜、魚介類などを採取するときにも使われる言葉です。「ぶどう狩り」「山菜狩り」「潮干狩り」などなど。そして、「狩り」という言葉には、実際に何かを獲るのではなく、「紅葉狩り」のように、季節の花や草木の美しさを観賞するときにも使われます。この意味は、平安時代の貴族の生活に由来しているそうです。

 平安時代の貴族は、自分の足で歩いて外出することは下品とされていたそうです。しかも外出は特別な用事がある時で、牛車や馬に乗らなければならず、平安京の外の山へ紅葉を見に行くことなどもってのほかだったそうです。特別な用事とは、寺神社へのお参り、お祭りなどの見物、鷹狩りなどです。とはいえ、山に出かけて真っ赤な紅葉を楽しみたいという思いは消えず、そこで思いついたのが、「狩り」という名目にして、山へ行くことにしたのだそうです。そうすれば実際には狩ることはないにせよ、獲物を探すことにして、山の中を自分の足で歩いて紅葉を楽しむことができます。貴族としての体裁を保ちながら堂々と紅葉を楽しめるわけです。こうして、紅葉を見にいくことを「紅葉狩り」と呼ぶようになり、やがて庶民の間にも使われるようになったということです。

 京都で有名な「紅葉」といえば、女優の山村紅葉さんでしょうか?お家が雙林寺界隈にありますよ。それにしても、日本人は紅葉が大好きですね。今日も楽しい一日を。