トイレの日

烏枢沙摩明王
 いつの間にか夜中から雨が降り続く京都東山です。さて、今日は「トイレの日」だそうです。11(イイ)10(トイレ)という語呂合わせで、1986(昭和61)年に日本トイレ協会によって制定されたとのことです。

自坊も一年前にようやくリフォームをして、和式から洋式ウォシュレットトイレになりました。おかげで、滞在時間が長くなったように思います。 

 私の子供のころもそうだったのですが、昔は汲み取り式でしたので、臭い汚い病気の発生源なところでした。それゆえ、不浄を取り除き浄化させる仏さまとして、烏枢沙摩明王さまをお祀りすることでトイレをきれいに使い、汚したら掃除をして、清潔に保ったようです。今では一般家庭でお祀りされることはほとんどなくなりましたが、寺院では祀られているところがあります。もちろん雙林寺のトイレにもお祀りしていますよ。

 烏枢沙摩明王さまは、火頭金剛、穢跡金剛、不壊金剛、不浄金剛、受触金剛などとも呼ばれています。除病、愛敬、避難、受福、敵伏のご利益を頂戴でき、死霊、生霊、悪鬼、蛇障の恐ろしい災いも消滅させてくださるという仏さまです。

 また、烏枢沙摩変成男子法といって、母胎に女子が宿ったときは、男子に変えるというお力があるともされ、男子を望む貴族、武将の間で加持祈祷の修法が盛んに行われたそうです。崇徳天皇が御生誕のときにも、この修法で男子を出産することができたそうです。

 トイレを使用されるときは、ぜひ真言を唱えながら、仏さまを観想して、用を足していただきたいと思います。 おんくろだなうんじゃく 今日も楽しい一日を。