北野御霊会

 朝晩の気温は多少下がりはじめましたが、日中は暑い京都東山です。

 さて、昨日は北野天満宮において「北野御霊会」が営まれました。「北野御霊会」とは、延暦寺の僧侶も出仕する神仏習合形式による儀式で、平安時代の987 (永延元)年、一条天皇の勅命より勅使が派遣される勅祭である「北野祭」が起源となっているそうです。 

 北野天満宮はもともと、延暦寺の管轄下にあって、その宮司の役割を担う別当職を天台宗の京都五ケ室門跡のひとつである曼殊院門跡の門主が代々務めていたそうです。しかし、応仁の乱で北野祭は途絶え、江戸末期に復興が試みられたそうですが、明治政府による神仏分離令で、神社と寺院が分離されて、神事のみで斎行されていましたところ、2020年に約550年ぶりに北野御霊会が再興されました。

 北野天満宮の本殿には、神職8名と僧侶11名が入堂して宮司さんが祝詞をあげ、僧侶は法華三昧を奉修し、「南無天満大自在天神」と法号が唱えられ、延暦寺執行が玉串を捧げ、気候変動による自然災害からの早期復興、ウクライナ軍事侵攻の早期収束などが祈られたとのことです。

 今後も、このように神仏習合形式の儀式が復興され、人々の祈りのきっかけになってもらいたいと思いました。今日も楽しい一日を。