曇り空の京都東山です。今日は「雷記念日」となります。930(延暦8)年のこの日、平安京の清涼殿に落雷があり、大納言・藤原清貴(ふじわらのきよつら)をはじめ、朝廷の要人に多くの死傷者が出ました。それを目撃した醍醐天皇も体調を崩し、3ヶ月後に崩御されました。この事件は、政治的な策略によって太宰府に左遷され亡くなった菅原道真(すがわらのみちざね)の祟りだと人々に信じられ、道真の怒りを鎮めようと、947(天暦元)年、北野社に天神(雷神)として祀られることになった、ということです。
雷除けの呪文として「クワバラ、クワバラ」といいますよね。転じて悪いことに巻き込まれないようにという意味でも唱えたりします。起源は諸説あるようですが、この落雷事件があってから、菅原道真の霊が雷電となって雷を落とすとされたのですが、かつて道真の所領であった桑原の地には一度も落ちなかったことに始まるということです。
この桑原の地は、現在も京都市中京区桑原町として地名が残っています。ちょうど、京都地方裁判所の前あたりなのですが、なんとその町内には住宅も建物もない数十mの長さの丸太町通(車道)とその歩道の一部なのです。おそらく歴史のなかで、拡幅工事か何かで、建物が取り壊されたのではないかということでした。
そして、菅原道真の居宅は、梅が植えられていたところから「紅梅殿」と呼ばれていまして、現在の北菅大臣神社(下京区仏光寺通新町西入)のあたりにあったようです。「菅家邸址 紅梅殿」という石碑が建っています。京都観光の折に探してみられてはいかがでしょうか。(写真はフィールド・ミュージアム京都より拝借しました)今日も楽しい一日を。