長講会

しょうぐうさん
 曇り空の京都東山です。さて、6月4日は伝教大師さまのご命日で、ご遺徳を偲び感謝する「山家会(さんげえ)」という法要が行われましたが、伝教大師さまの御廟所である「浄土院」では「長講会(ぢょうごうえ)」という法要が営まれていました。

 長講会とは「長期にわたる経典の講会」という意味です。もともとは大同二(807)年に伝教大師さまがはじめられた「法華長講会」が起源となっていまして、伝教大師さまが弘仁一三 (822)年6月4日にお亡くなりになったことから、このご命日に、伝教大師さまへの報恩感謝のために開催されるようになりました。

 この法会では、「法華経」についての論義が行われます。また、「出世役」への関門としても最も重要な法儀にもなっています。それは、長講会五役(声明を唱える「唄」「散華」、論義を行う「一の問者」「講師」、進行を司る「執事」)をすべて勤士すると、天台座主から「戸津説法を勤めよ」との指名を受けるからです。そして、この戸津説法の説法師を勤めるということは天台座主への登竜門とされているのですよ。今日も楽しい一日を。