金輪際

 曇り空の京都東山です。少し蒸し蒸ししていますよ。さて、いつものとおり今日は何の日かを見てみますと、「はやぶさの日」となっていました。鳥?新幹線?と思われるかもしれませんが、小惑星探査機はやぶさのことでした。2010年のこの日に無事に地球に帰還したことを記念してできた日ということです。

 仏教での「宇宙」はというと、虚空(空中)に「風輪」という丸い筒状の層が浮かんでいて、その上に「水輪」の筒、またその上に同じ太さの「金輪」という筒が乗っています。その「金輪」の上は海となっていて、その中心に7つの山脈を伴う須弥山がそびえ立っています。須弥山の東西南北には、洲(島)が浮かんでいて、南の方角にある瞻部洲(せんぶしゅう)がわたしたちの住む島となっています。

 ちなみに、金輪の最も下の部分、水輪との境目を「金輪際」といいます。この境目は地上の島に住む私たちからすると、ドン底になることから、「物事の極限」を意味するようになりました。「東海道中膝栗毛」には「聞きかけたことは金輪際聞いてしまはねば気がすまぬ」とあり、もともとは打ち消しを伴わない表現で使われていましたが、それが「徹底的に」「どうしても」などの意味から、現在では打ち消しの語を伴って、「決して」「断じて」の意味として用いられるようになったということです。今日も楽しい一日を。