腐草為蛍

 雨上がりの京都東山です。このところ梅雨な感じのお天気となっています。遠方から元同僚がひょっこり訪ねてきてくれました。元気そうで何よりでした。

 さて、今日は大安で、七十二候では「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」となっています。ホタルが光りながら飛び交う季節ということですね。ゲンジにヘイケ、ヒメボタルなどが有名ですね。源平合戦じゃあるまいし。

 暑さに蒸れて腐った草や落ち葉などがホタルになる、、ということではなく、幼虫から成虫になった蛍がそういうところから出てくるということですね。蛍は、きれいな水と暗闇の中で生きています。一年近くは幼虫で、成虫として生きられる期間は1、2週間だそうです。幼虫のときは肉食ですが、成虫になると水しか飲まないそうですよ。

 清少納言は、「夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」と仰いました。夏は夜が趣深い。月が出ている夜はもちろんのこと、闇夜もまた、蛍が多く飛び交っている様子も良い。 また、それらがただ一つ二つと、ほのかに光って飛んでいるのも良い。夜に雨が降るのも趣があって良いんだと。

 雙林寺の近くでは、阿闍梨さんの一本橋あたりで蛍を見られますし、哲学の道や南禅寺でも飛んでいるようです。ということで、久しぶりに蛍を観察しに行ってみるとしますか。だけど、「もう時期は終わっている…」とかいう意見もちらほら。今日も楽しい一日を。