あの世でケンカします?

しょうぐうさん
 曇り空の京都東山です。さて、位牌や納骨でお困りの方から相談を受けました。本家と分家は一緒に祀れないのかという内容です。

 お仏壇とは、仏像やお位牌を安置する場所で、小さなお寺だと私は思っています。諸説ありますが、日本書紀のなかに、685(白鳳14)年3月27日、天武天皇が「諸国の家ごとに仏舎を作り、即ち仏像と経とを置きて礼拝供養せよ」との勅命を出されたことがはじまりとされています。

 仏壇の設置方法やお飾りの仕方は宗派ごとに様々なしきたりがありますから、よくお分かりにならないときは、ご住職にお尋ねされるといいと思いますが、大切なことは、お仏壇の前で仏さまやご先祖さまに日々の感謝をすることですし、祈ったり読経したりすることです。ですから、毎日お勤めすることが大切です。

 さて、同じ仏壇、お墓には本家と分家の方は一緒に祀らない方がよいとか、養子が一緒だと争いのもとになるからダメだとかいろいろ噂されています。それがもとで、私たちの生活がうまくいかないということなのですが、どれも迷信ではないかと思います。そういう悩みに付け入るのが、悪徳霊媒師とか祈祷師といわれる人たちです。「あの世で争いが始まった証拠ですから、ん百万円の壺を買って供養しなさい」とか「祈祷料は、ん百万円と少々かかりますが、必ず鎮めてみせます」悩んでいるときは冷静に考えられませんから、迷ったら誰かに相談することですよね。

 そもそもお仏壇もお墓もご先祖さま方は仏弟子となられていますので、法名や戒名がつけられています。出家されて仏さまの世界でお修行を始められていますからケンカなどされません。それに、あの世では誰もが平等ですから、血縁など関係ないのです。

 また最近では、合祀墓・永代供養墓などといって、それこそ他人さんと一緒に祀られるようになってきました。これらを運営されている寺院や納骨堂は、あの世のケンカを鎮めるために、日夜苦労されているのでしょうか?そんなわけないですよね。これは、一人一人は仏弟子となって平等であるとの考え方をもとに生まれた現代のライフスタイルにあったお墓だと思います。

 ですから、うまくいかないことを何でもかんでもあの世のご先祖さまのせいにすると、ご先祖さまもたまったもんじゃないと思うのですよ。今日も楽しい一日を。