ツツジとサツキ

 くもりの京都東山です。雙林寺の境内にはたくさんの種類のお花はありませんが、現在はサツキが見頃を迎えています。

 サツキによく似た花にツツジがありますが、見分け方はご存知でしょうか。まず花の大きさはツツジが6cmくらいで、サツキは4cmくらいとツツジよりやや小さめです。おしべの数はツツジが5本以上に対して、サツキは5本だそうです。葉っぱの大きさはツツジが4~5cmくらいで、サツキは2~2.5cmくらいとなっています。ツツジは表面に柔らかい毛があり、サツキはつやつやしています。そして、開花時期は、ツツジが4~5月頃で、新しい葉が出てから花が咲きます。サツキはやや遅い5~6月頃で、新しい葉が出る前に花が咲くとのことです。

 ところで、サツキの名の由来は「5月頃に花を咲かせるから」とだいたい想像が付きますが、ツツジの由来はよくわかりません。

 「ツツジは花が筒状になって、連なり続いて咲くことから『つつじ』となった」という説があるそうです。漢字で書きますと、躑躅、杜鵑花、映山紅、管士とすべて「つつじ」と読むそうです。ちょっとすごいですね。躑躅については「てきちょく」とも読み、「躑(てき)」は、たたずむ、行きなやむ、あしぶみする、「躅(ちょく)」にも、あしずりする、あがくといった意味で、歩行の進まない状態、あしぶみを意味しています。 もともとは羊躑躅だったそうで、羊がこれを食べて、足踏みして、死んでしまったことからつけられたそうです。実は、レンゲツツジという品種の根には有害物質が含まれているからなのだそうです。昔の人の観察力には関心させられますよね。

 そんなことで、京都の三千院、曼殊院、毘沙門堂、青蓮院などの門跡寺院では、霧島ツツジやサツキを楽しめますから、ぜひチェックしてみてください。今日も楽しい一日を。