地蔵菩薩縁日

 晴れて過ごしやすい京都東山です。正五九参りはされていますでしょうか。毎月24日はお地蔵さまのご縁日となります。

 お地蔵さまは、もともとは長者の息子で、獅子奮迅具足万行如来という仏さまに出会い、そのお姿の尊さ、お美しさに感動され、「私も六道の罪で苦しんでいる人たちを救い仏になろう」とお誓いをたてられ、今もお修行されています。

 丸い童顔に赤い涎掛けの僧形は、子供たちからも親しみやすく、我々を和ませてくださいます。道祖神的な信仰もあり、時代劇の街道筋では茶店などとともによく見かけますよね。

 特に「賽の河原」のお話は有名で、幼い子供が病気などで親より先に亡くなってしまい親孝行ができなかったして、何とかその恩に報いようと、賽の河原で小石を積んで石塔をつくって果たそうとします。「一つ積んでは父のため、二つ積んでは母のため」ところが、積み上げてようやく出来上がろうとしたときにどこからか鬼がやって来て、せっかく積んだ塔を壊わしてしまい、また「積め」と責めたてます。何度も何度も繰り返され困った子供は、「どうか許して下さい」と何度もお願いしているところにお地蔵さまがお出ましになり、衣の袖にかくまって、子供を鬼から守って下さるというお話です。

 このお話は「報われない努力」などと解釈されていますが、そうなのでしょうか。私たちは基本的には怠け者です。鬼のような上司に目標を与えられないと仕事しませんし、達成すれば次の目標です。いつまでも報われることはないのでしょうか?

 お修行もきっとそういうことで、たゆまぬ努力の先にはお地蔵さまが現われて必ず実を結ぶことにつながるという解釈なんじゃないのかなあと私は思います。みなさんはいかがお考えでしょうか。 おんかかかびさまえいそわか 今日も楽しい一日を。