墓じまい

 いいお天気の京都東山です。今日の気温は30℃を超える予報となっています。いきなり暑いですよ。さて、墓じまいの相談を受けました。昨今、テレビなどで話題になっていますが、いよいようちにもやってきたか、という感じです。

 墓じまいとは、墓石を撤去して、墓所を更地にし使用権を返還することです。お骨は永代供養墓などに納められます。昨今、遠距離のために墓参りに行けないとか、跡継ぎがなく継承できないなどの理由により、検討されている方もおられると思います。今回の相談は、生活基盤が遠方になったので、地元に墓を建てて、いわゆるお墓の引っ越しをしたいということでした。

 墓をなくした後、違う場所に移転させることは改葬といいます。墓じまいや、改葬などの方法は、法律で決まっていて、お寺さんとか墓地管理者に連絡すればよいだけではなく、役所での手続きも必要となります。どこに連絡することもなく、勝手にお墓を開けてお骨を取り出すなどということはもってのほかです。ちなみに、納骨も墓地管理者の立合いや書類の提出が必要で、勝手にお骨を納めてはいけないことになっています。

 改葬の場合の手順を簡単に申しますと、1.まず親族の方々で話し合って同意を得ましょう。これは一番大事ですよ。2.お寺など墓地管理者と、墓石の撤去および移転先での工事をする石材店に連絡しましょう。3.改葬に必要な手続きや書類(改葬許可証ほか)を用意しましょう。4.新旧それぞれのところで営む法要の日にちを決めましょう。宗派にもよりますが、墓前にて、いわゆる魂抜き、開眼のお作法を執り行います。

 大体、以上のようなことになりますでしょうか。お墓はご先祖さまの家です。引っ越しするときはご先祖さまにとっては、思い入れの土地を離れることになりますから、思いやりの心で臨みましょう。また、引っ越さず継承者問題でお墓を無くしてしまうときは、お寺に永代供養を依頼され、親族に代わっていつまでも供養していただけるようにしましょう。

 いずれにしても、ご先祖さまからのいのちのつながりに感謝して法要に参列していただきたいところです。今日も楽しい一日を。