初午

 

 曇り空の京都東山です。いつまでも寒いですね。今日は「一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という一粒万倍日にて、「初午(はつうま)」となります。2月最初の午の日に、お稲荷さまをお祀りする神社では「初午祭」が営まれます。

 京都には総本宮の伏見稲荷大社がありますね。五穀豊穣、商売繁昌、家内安全、所願成就にご利益があるとされる身近な神さまです。「山城国風土記」によると、711(和銅4)年、秦伊侶具(はたのいろぐ)という人が、お餅を的にして弓を射たところ、お餅が白鳥になって山の彼方へ飛んでいき、その白鳥が降り立った場所には稲がたわわに実ったそうです。そこに神さまをおまつりしたことが伏見稲荷大社の創建なのだそうです。「稲荷」の言葉には、「稲がなる」という意味が込められているそうです。ちなみにお稲荷さんの正式名は「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」と申します。また、お寺でも初午を行うところもあります。寺院の鎮守の神さまとして、お稲荷さんや関係が深い荼吉尼天が祀られているところがあり、そのお祭りとして行れるわけです。

 初午の日には、いなり寿司を食べたりします。そもそも、お稲荷さんの眷属はキツネですよね。検索してみますと、キツネは、農作物をネズミから守ってくれる動物なので、お稲荷さんのお使いになったといわれているようです。何でも、キツネそのものの油揚げをお稲荷さんに捧げて祈っていたところ、殺生はよくないとのことで、食べ物の油揚げに代えたそうです。その後、油揚げがキツネの好物に代わり、いなり寿司が考案されて食べ始めるようになったということです。いわれてみればそうなのですが、形は三角と俵型があります。今日は、三角の方が用意されていますので、キツネの耳を想像してお昼にいただくとします。今日も楽しい一日を。