開経偈

しょうぐうさん
 雲は多いものの晴れの京都東山です。しっかし、寒いですよ。1月31日は「晦日正月」ともよばれるお正月(1月)最後の日となります。そして、「一月往ぬる」ですね。来月再来月は、「二月逃げる三月去る」と続きます。「一月往ぬる二月逃げる三月去る」このことは言葉は、この時期は毎日が忙しくてあっという間に過ぎてしまう事を調子良く言った言葉で、「光陰矢の如し」「歳月人を待たず」「烏兎匆匆」などと同じ意味ですね。

 「開経偈」というお経には、この上なく大変深くすばらいみ仏の教えは、百千万カルパ(=極めて長い宇宙論的な時間の単位)という計り知れない長い時間をかけても、巡り合うことはたいへん難しく、それを私は今見聞きして…という内容です。

 伝教大師さまは、人間として一生をうけることは、太平洋かどこかの海に沈んでいる1本の針を道具や機器などを使わないで探し出すくらい得難いことだと仰っています。もしかすると、人間に生まれ変われないかもしれないのです。

 つまり、私たちが人間に生まれてくること、さらに、み仏の教えに巡り合えるということは、そう簡単に容易く手に入れられない幸運なことなのです。したがって、この幸運をよく噛みしめて、真実のみ仏の教えをよく理解できるように努めましょう。そうしますと、時間の長短を嘆くことよりも、充実した毎日を生きていくことが大切なことだということに気づけるのではないかと思うのです。でないと、あっという間に「ご臨終」となってしまいそうですよ。 無上甚深微妙法 百千万劫難遭遇 我今見聞得受持 願解如来真実義 今日も楽しい一日を。