ツララ

庫裏にできたツララ
 曇り空の京都東山です。今日は「一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という一粒万倍日となります。この日に何かを始めるにはよい日と言われていますが、借金をすると、膨れ上がるそうですから、やめておいたほうがよさそうです。

 さて、25日の積雪がようやく溶け始め、屋根から雪の塊となって落下してきています。また、本堂など建物の軒先にはツララができていました。特に庫裏の北側のものは約80センチにもなっていました。こんな長さは自坊では見たことがないかもしれません。ちなみに、ツララを漢字にすると「氷柱」ですね。水がしたたるときに凍りながら徐々に伸びて棒状に垂れ下がります。

 北の国だとどこでも見られるのだろうと思っていましたが、調べてみますと、そうではなくて、大きく垂れ下がった氷柱が見られるのは、寒暖差がある地域でないとできないのだそうです。つまり氷柱ができるためには、雪が溶ける日中の気温と、その水が氷るための夜の気温の両方が必要になるからです。溶けたり凍ったりを繰り返しながら、氷柱は長く太くなっていくのですね。なるほど~。

 朝、窓を開けて発見したのですが、きらきらと輝いて光る氷柱は、なんともいえない美しさですね。普段見られない珍しさと相まってしばし見とれていました。推理小説などでは先がとがっているので、凶器になったりしますけれど、実際に歩いているときに落ちてきたらと思うとけっこう怖くも感じます。おまけに、雪女ではなくて、「つらら女」という民話があって、これも怖い結末となっています(諸説あり)。

 氷柱を見ながら顔に感じる冷たい空気で、身も心もキュッと引き締まった感じですよ。今日も楽しい一日を。