初地蔵

 どんより曇り空の京都東山です。10年に1度の大寒波到来ということで、朝からワイドショーでは大雪の報道です。もしかすると、京都市内でも積雪があるのかもしれません。そして、今日の暦には、「三りんぼう」に「不成就日」と、お日柄はよろしくない日となっていますが、お地蔵さまのご縁日ですので、悪いことが起こらないようにこれからお勤めしたいと思います。

 お地蔵さまは、頭を丸めたお姿で、右手に錫杖、左手には宝珠をお持ちです。二仏中間(にぶつちゅうげん)の菩薩とも呼ばれ、お釈迦さまが入滅されてから、56億7千万年後に弥勒菩薩さまがお出ましになるまでの期間、お地蔵さまが私たちを救ってくださるとされています。

 錫杖は、はるか遠い旅路で使われている杖で、これを突きながら六道をはじめ、あらゆる世界でお説法され、私たちにも会いに来てくださいます。錫杖の先には輪が付いており、歩くたびに「シャンシャン」という音が鳴り響き、その音によって、毒蛇や害虫が逃げ去って行きます。これは、私たちの心の迷いや煩悩を払って下さることを表しています。左手の宝珠は如意宝珠ともいうように、そこから智慧の光が放たれて、私たちの願いを思いのままに叶えられるアイデアを与えてくださいます。

 また、お地蔵さまは首や手や胸に、沢山のアクセサリーを身につけておられず、清楚な印象を受けます。童顔でお優しく身近で親しみやすい感じです。それだけに、お地蔵さまからは、隣で寄り添って、「私たちを守り救ってやろう」という大きな願いも伝わってきます。暑い夏でも、寒い冬でも、道端でよく見かけるお姿は、どんなところでもどんな人にでも慈悲の手を差し伸べられる菩薩行のお姿ですから、お見かけしたときは、お地蔵さまに手を合わせて、私たちも「一隅を照らす運動」に努めたいものです。

 雙林寺のお地蔵さまは持病平癒地蔵尊といわれ、病気平癒にもご利益があるとされています。マスコット地蔵に願い事を書いて奉納していただくこともできますので、どうぞお参りください。今日も楽しい一日を。