初閻魔

 曇り空の京都東山です。今日は聖天さまのご縁日ですが、1月と7月の16日は「閻魔賽日(地獄の釜の蓋が開いて鬼も亡者も休むとされる日)」という特別なご縁日となります。併せて、昔は、藪入りといって、商家などに勤める奉公人たちの休日でもあって、閻魔堂に参詣したり、芝居などを楽しんだりしたそうです。

 閻魔王さまは、インドの古い言葉で、「ヤマラージャ」といいまして、音訳の閻魔羅闍(えんまらじゃ)から「閻魔王」と呼ばれ、和訳は、縛、双王、双世、遮止、静息、平等と訳されます。これらの訳名の由来は次の通りとなっています。縛=罪人を縛るためにいう。双王=この王には、兄妹がおり、二人とも地獄界の王として、兄は、男事を治め、妹は、女事を治めているため。双世=この王が、苦楽を共に受けるため。遮止=この王が罪人を糾問して、再び罪を作らせまいと遮止するため。静息=罪人が、この王の裁断によって、自らの罪を知り、静息するため。平等=この王のもとに、罪人の業因が平等に表わされるため。

 また、私たちの死後、生前の行いを審理されるという十王のひとりで、三十五日目の担当です。地蔵菩薩の化身ともいわれています。十王の中でも、首座の位におられ、「浄玻璃の鏡」を使って、私たちの生前の行いや、修行の度合いを調べて、あの世の世界でもどこの世界へ送るのかをお決めになるのです。この世でもあの世でも裁判があるのですね。悪いことをすると地獄行きですよね、いいことをしなくては。今日も楽しい一日を。