聖天さまご縁日です。

 

 朝から断続的に雨で、時折、雷がなっている京都東山です。今日は「二百十日(にひゃくとおか)」ですね。立春から数えて210日目にあたる日のことです。この時期、台風に見舞われることも多く、関東大震災が発生した日でもあって「防災の日」にもなっています。昨今、自然災害に見舞われることが多く、日ごろから災害への備えを怠らないようにしたいものです。

 そして、聖天さまのご縁日でもあります。ご存知の通り、聖天さまは秘仏ですが、インターネットで検索しますとそのお姿を拝めることができます。体は普通ですが、頭は象さんです。インド神話では、首を切られてしまったために象の頭を代わりにくっつけたといわれていますが、神々の中でも一番お力が強いことを、一番力の強い動物の象で示しているのが実際のところなのでしょう。そして、奥様は十一面観音さまの化身で、いつも仲睦まじくされているご様子の双身像(そうしんぞう)となっています。このことから、聖天さまは、夫婦和合の神とされています。江戸時代に聖天信仰が流行し、親しみを込めて「聖天さん」とお呼びして民衆に親しまれるようになったようです。ちなみに、全国で聖天さまをお祀りしているお寺は全国200ヶ寺以上にのぼるといわれています。

 よく聖天さまは「子孫の七代までの福を一代にとる」などと噂されていますが、これは誤りで、聖天さまからのご利益が莫大だということを意味しています。子孫から福を集めとるのではなく、聖天さまから福を頂戴するのです。そのためにも、願いを打ち明けて、真心一つでお祈りすることが大切です。普段の信心では、報恩感謝の為に、大根やお団、お酒などをお寺にお供えしましょう。そして、お願いがあるときは、実際にお寺へ参拝に出向いたり、祈祷を申し込んだりしましょう。しかし、お寺でお願いしたからもう大丈夫と思うかもしれませんが、御利益を頂戴するには、しっかりと受け止める構えがなければ受け止められません。聖天さまにお願いをすれば叶うまで、あるいは、聖天さまから何かのおしるしがあるまで祈願し続けることです。聖天さまにお願いすることは「真剣な態度」と「根気」が必要だと思うのですがいかがでしょうか。20年かかって所願が成就したというお話をされている方がおられましたよ。今日も楽しい一日を。