宝くじの日

 雨がよく降りましたが止んで雲の間に間に晴れの京都東山です。さて今日は「宝くじの日」ですよ。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)宝くじ部が、当選していても引き換えられずに、時効となってしまう宝くじが多いことから、時効防止のPRの為に、「く(9)じ(2)」の語呂合わせから1967年に制定したそうです。みなさま、どうぞ当選番号をお確かめの上、狸の宝くじ(た抜き=空くじ)になさらないようにお願いしますね。ちなみに私は、宝くじは当たったためしがないので、買わないのですけれど、もしも5億円当選したら、寺のリフォームに使うことになりますかね。

 ところで、くじといいますと、おみくじですよね。疫病退散の角大師として有名な元三大師さまが、おみくじの開祖と言われています。「天竺霊籤」という占術を日本風にアレンジしたものが由来と伝わります。比叡山横川にある元三大師堂前には「おみくじ発祥の地」と書かれた石柱が建てられています。

 おみくじの引き方は、自分で筒状の箱を振り、中から番号の書かれた棒を一本取り出す方法が一般的ですよね。他に、自動販売機式もよくあります。変わったところでは、昔、八坂神社の境内で、「すずめのおみくじ」という露店があって、すずめが日の丸の旗を上げ、鈴を鳴らしてお社へ入り、中からくちばしでくわえてくじを取り出してきて、掌に渡してくれるという芸をしてくれるところもありました。今もどこかでこのスズメのおみくじ芸を見られるところがあるのなら、行ってみたいですね。

 いずれにしても、おみくじを運試しとして、「吉はアタリで、凶はハズレ」とされる方もおられますが、そうではなく、自分で判断できないことを仏さまにお伺し、おみくじに書かれた仏さまのお言葉によって、方針を定め、心を落ち着かせたり不安を解消する方法なので、決して運試しなどではありません。「くじ」に尊敬の接頭辞「み」がついているところからも、この意味がうかがえます。

 おみくじに書かれた内容を読み解いて方針や決断を下しましょう。それには、自分で考えると都合の良いように解釈しがちなので、第3者の方にお願いする方がよいと思います。元三大師堂では、お坊さんが読経などのお作法をしてから引いてくださり、読み解いてアドバイスしてくださいます。ともかく、どんな内容であっても信じて従うべしです。

 宝くじはなかなか当たりませんが、おみくじはよく当たりますよ。今日も楽しい一日を。