愛酒の日

酒泉童子
 今日は曇り空の京都東山です。今月はお盆月間で、ご先祖さまにお地蔵さま、あとは大日盆を終えると寺の夏はひと段落です。で、そちらの段取りばかり気にしていましたら、昨日は「愛酒の日」だったようです。無類の酒好きの若山牧水の誕生日が8月24日だったことに由来しているそうです。お酒が好きすぎて、結果的に肝硬変になってしまい、43歳で亡くなったとのことです。このお方は何と、毎日一升程度のお酒を呑んでいたらしく、夏の暑い盛りに亡くなられたにもかかわらず、しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため、「生きたままアルコール漬けになったのではないか」と、医師を驚嘆させた、との逸話があるそうです。

 ところで、お寺では天部の方々は「愛飲家」ですね。雙林寺でお祀りしている天部方では、弁天さまはお酒を使用する「浴酒供養法」がありますし、弁天さまの眷属である十五童子のメンバーに酒泉童子さまがおられます。お酒が入った大きなかめの横に立ち、酌でお酒を酌んでおられるお姿をされています。聖天さまもお酒がお好きでお供えしますね。大黒天さまはというと、お酒はお米から造られるので、お好きなのでしょうか。話は逸れますが、神戸・灘には「大黒正宗」というお酒がありますね。ちなみに、日本酒名でもっとも多く使われている漢字は「山」で、2位は「鶴」、3位は「正」、4位は「宗」、5位は「菊」だそうです。

 科学が発達していない昔は、お酒は、神さまのお力でつくられるものであるとか、そのお酒で酔うことは神さまと一体化できるとされていたなどと聞いたことがあります。お酒は不思議な存在で、神聖視されていたのでしょうね。

 ということで、若山牧水のように毎日一升を飲む方はおられないとは思いますが、飲みすぎて体調を崩したり、酔っぱらって周りに迷惑をかけないように楽しみたいところですね。推奨されている飲酒量は1日1合までだそうですよ。今日も楽しい一日を。