![]() |
地蔵菩薩(雙林寺蔵) |
雙林寺のお地蔵さまは、明治5年8月、本堂前にある法華塚を修繕したときに、その地中よりお出ましになった石仏です。
お地蔵さまは頭を丸めたお姿で、右手に錫杖、左手には宝珠をお持ちです。錫杖は、はるか遠い旅路で使われている杖で、これを突きながら私たちに会いに来てくださいます。錫杖の先には輪が付いており、歩くたびに「シャンシャン」という音が鳴り響き、その音によって、毒蛇や害虫が逃げ去って行きます。これは、私たちの心の迷いや煩悩を払って下さることを表しています。左手の宝珠は如意宝珠ともいうように、そこから智慧の光が放たれて、私たちの願いを思いのままに叶えてくださいます。
また、お地蔵さまは他の菩薩さま方とは違って、首や手や胸に沢山のアクセサリーを身につけておられません。お坊さんと同じ格好をしておられるので、質素なところにありがたみを感じられ、童顔でお優しく身近で親しみやすい印象を受けます。それだけに、お地蔵さまからは、隣で寄り添って、私たちを守り救って下さるという大きな願いも伝わってきます。誤解はないと思いますが、他の菩薩さま方を否定しているおはなしではありません。
雙林寺のお地蔵さまは持病平癒地蔵尊といわれ、病気平癒にもご利益があるとされていますので、お薬師さまと併せてお参りされる方も多くおられます。どうかみなさまが幸せでありますように。今日も楽しい一日を。