納涼床

納涼床
 今日も朝から暑い青空の京都東山です。少しでも暑さがマシなうちに買い物に行こうと出かけたついでに、夏の風物詩である「川床(ゆか)」を写しました。

 川床は、5~10月頃まで、料理店が川の上や川沿い近くの場所につくる座敷のことですね。南は五条大橋から、北は二條大橋あたりまでズラリと並んでいます。そこでおいしいお料理を楽しみます。京都では鴨川の他、貴船や高雄でも楽しめる行事です。総じて「納涼床」とも呼ばれていますが、鴨川では「ゆか」、貴船や高雄では「かわどこ」と呼び名が違います。大阪では「かわゆか」と呼ぶそうです。

 鴨川の川床は、江戸時代初期に豪商が、鴨川の河原に見物席や茶店を出したことにはじまるそうです。その後、石垣や堤が整備され、近くに花街もできて歓楽街として賑わうようになります。祇園祭の「神輿洗い」は、見物客が大勢鴨川に集まり、その当時も大変賑わったそうです。江戸時代中期になると、約400軒ほどの茶屋が浅瀬に床几を並べたり、張り出し式のものが作られるようになり、「河原の涼み」と呼ばれて楽しめるようになったそうです。

 明治時代になると、7月から8月頃に川床を出すのが定着し、鴨川沿いにずらりと並ぶようになります。その後、台風被害や戦争で川床が消えた時代がありましたが、1952(昭和27)年に「納涼床許可基準」が策定され、納涼床を許可する京都鴨川納涼床協同組合が「納涼床設置規則」を定めるなどして、納涼床の文化風習を未来へと伝えるべくご尽力されています。(「鴨川納涼床への誘い」HPより)

 エアコンもクーラーも扇風機もない時代の納涼床はきっと「天然のクーラー」だったに違いありませんよね。他にも、涼しさを求めて、「風鈴」「団扇」「すだれ」「打ち水」などなど、昔の人のアイデアはすごいものです。

 ということで、「川床」を楽しみに京都へ来られる方もおられるのでしょうけれども、水がきれいなので、意外と虫が飛んで来たりしますので、虫除けスプレーを用意された方がよいかもしれませんよ。今日も楽しい一日を。