くちなしの花

くちなしの花
 曇り空の京都東山です。境内でくちなしの花が咲いています。見るたびに、「くちなしの~白い花~♪」とメロディを口ずさみますが、そんなに古い人間ではないと思っていますよ。

 ちょっと調べてみました。漢字で書くと、梔子、山梔、山梔子、梔、口無、山梔木、桅、桅子といろいろと出てきました。どれが一般的に使用されているのでしょうか。

 くちなしは、濃厚な香りがしますので、すぐに咲いていることがわかりますよね。この香りにはリラックス効果があるそうで、香水やシャンプーなどにもよく利用されているそうです。名前の由来には諸説あるようですが、「果実が成熟しても実が開かないから」が、有力のようです。花言葉は「喜びを運ぶ」「とても幸せ」「洗練」です。「喜びを運ぶ」のは、夜に漂って来る香りが、喜びをもたらしてくれることから生まれたそうです。欧米では、ダンスパーティーに女性を誘うときには、くちなしの花を贈る習慣があるのだとか。贈られた女性は、喜びが来たと、とても幸せになられることでしょう。また、「洗練」は、純白の印象から生まれたそうで、ウェンディブーケの花としても人気だそうです。

 ところで、インドにはチャンパカという木があります。インドの民話では、富と繁栄の女神・ラクシュミの化身と考えられており、神聖な木として寺院で栽培されたり、儀式で用いられたりしています。クチナシとは別物ですが、香りが良い事と、花の色や形が似ていることなどから、日本ではくちなしの花をそれにあてたようです。経典によりますと、チャンパカの香油の灯をもって供養すれば無量の功徳があると説かれています。

 このようなことから、寺の境内に植えられているのかもしれませんね。今日も楽しい一日を。