時の記念日

 今朝は曇り空の京都東山です。今日は昨日に引き続き、天が赦しを与える「天赦日」と、一粒の種が万倍にも実るとされる「一粒万倍日」が重なるたいへんお日柄の良い日ですね。そして、「時の記念日」でもあります。

 お寺で時といいますと、梵鐘がまず一番に思い浮かぶのではないでしょうか。梵鐘の「梵」は、神聖・清浄を意味します。そのほとんどは銅とスズの合金である青銅の鋳造品です。鐘楼を境内に建てて、吊るして、撞木で撞いて鳴らします。一般的に単に鐘とか、釣鐘などと呼ばれていますね。インドや中国から朝鮮を経て、日本に伝えられました。もともとは仏教教団での生活を規制するためのものでしたが、やがて朝夕など、「時間」を知らせる道具にもなりました。お隣の大谷祖廟さんでは、毎日午前8時半と午後2時半に鐘の音が聞こえて来ます。法要か何かが始まる合図でしょうか。ちなみに、お寺で日(太陽)の動きを見て、時刻を知らせたことから、「日」+「寺」で「時」という漢字ができたという説があるそうです。

 われわれが比叡山で修行しているときは、木の板を木槌で叩いて知らせます。このときの時間は行院の大きな時計が刻んでいますので、各自の腕時計は、毎日、秒までそれに合わせなくてはなりません。起床、勤行、食事、就寝、その他の集合の時に鳴らされるのですが、もちろん、鳴らすときには偈文を唱える作法や鳴らし方がそれぞれに決まっています。もう忘れてしまいましたけど、、、。

 ということで、生活には時間が大切ですよね。また、体の為には規則正しい生活が必要です。人はだれもが時間に合わせて生活をしています。今日は改めて時間の大切さについて考えてみようと思います。今日も楽しい一日を。