あの世はあるのですか

 

 どんより曇り空の京都東山です。まれに「あの世はあるのですか」とストレートに聞かれることがあります。当然、私は行ったことがないので、答えようがありませんが、阿弥陀経には極楽浄土についてこういう風に書いてありますよと、お話しています。天台宗の高僧、源信さまが著された「往生要集」にはもっと詳しく書かれてあります。過去にも俳優で霊界研究家の丹波哲郎さんが監督された「大霊界」という映画を鑑賞したことがありますが、その作品で描かれている内容があの世なのかもしれません。外国人にもスウェーデンボルグと言う方が霊界について本を出されていますね。

 「私は、幽体離脱をしたことがあるんです」と、こういうお話をしてくださる方も寺には来られます。横になっている状態で、魂か何かわかりませんけれども、自分の意識が起き上がるように体から抜け出すのかと思っていましたら、足から抜け出すのだそうです。そして浮き上がって瞬間に移動できるともおっしゃっていました。無神論の方や、あの世の存在を信じない方にはチンプンカンプンのお話ですね。

 実際のところ、こればかりは、あの世に行ってみないと分かりません。比叡山で修行したからといって、あの世へ行けるようになるのではありませんし、神通力が備わってあの世が見えるようなることもありません。

 しかし、私はあの世の存在はあると信じています。伝教大師さまに会えるかなぁなどと思ったりしますが、お大師さまのことですから、すでに生まれ変わって次のお役目をされておられるかもしれませんね。

 仏教は真理ですので、あの世が有るとか無いとか悩むよりも、有ると信じた方がいいと思います。自分の気持ちにゆとりができますし、年齢を重ねても焦らずに済みます。とにかく、答えの出ないことをいつまでも考えていても仕方ありません。ということで、これからおまいりに行ってまいります。今日も楽しい一日を。


■現代語訳が読みやすいですね、「往生要集」↓↓