弁才天さまご縁日です。

 

雙林寺 楠木弁財天
 夜半台風の接近に伴い大雨に見合われましたが、上がって曇り空の京都東山です。暴風はなく、台風被害はありませんでした。さて、今日は60日に1度の「己巳の日」にて弁才天さまのご縁日です。雙林寺では大楠樹の根元に「楠弁財天」としてお祀りしています。寺に残る古い言い回しで書かれた縁起書を読みやすく書いてみました。

 弁才天さまは、天地陰陽の根源で福徳を三界に満たし、慈悲を十方に照らされます。ひとたび帰依し、弁才天さまを念じて、その御名を声に出して唱え、祭礼を行うと福宝が雲のように集まってきて、風のようにやってきます。また、法施の厳飾を行うと、本覚である月の光が増すとお経に説かれています。

弁才天さまの御姿は八臂にて、左側から

第一の宝珠の御手は、如意輪観世音菩薩さまにて、貧しい生活から富貴の生活になるように財宝を与えてくださいます。

第二宝輪の御手は、馬頭観世音さまにて、横死の難に遭わないようにお守りくださり、丈夫に暮らせるようにしてくださいます。

第三宝弓の御手は、準提観世音さまにて、醜い姿から愛敬のある姿にしてくださいます。

第四宝鉾の御手は、大悲大聖観世音さまにて、刀杖の難のない安楽の暮らしにしてくださいます。

また、右側

第一宝剣の御手は、千手観世音さまにて、愚痴の罪から弁才天さまの御姿にしてくださいます。

第二宝棒の御手は、十一面観世音さまにて、咒咀の難から守られて、無病息災を与えてくださいます。

第三宝箭の御手は、不空羂索観世音さまにて、盗賊の難から守られて、聖王の位に就かせてくださいます。

第四宝鑰の御手は、白衣観世音さまにて、無限の業を断ち切り、佛果の位をお与えくださいます。

 弁才天さまは、インドの河川の女神さまで、豊穣、音楽や芸事、学問に御利益があるとされていますが、他にもこのようなご利益を頂戴することができるありがたい神様です。今日も楽しい一日を。