お香典

 今日もどんよりとした曇り空の京都東山です。さて、先日の身内の不幸については、いわゆるコロナ渦のために家族葬となりましたので、香典を郵送することにしました。

 香典は、正式には「香奠」と書きます。この「奠」とは、まつる、そなえるという意味があります。したがって、香奠とは香を供えること、または香を薫じてお供えするということです。昔は、実際にお香を持参していたそうですが、次第にお香を持参する代わりにお香代として、お金を包むようになったようです。

 忌明け(四十九日)までの法事にお香典を持参する場合、水引は黒白になります。上書きは、「御霊前」「御香典」「御香資」「御香料」のいずれでもよいと思います。住所、氏名、金額を忘れずに書きましょう。受け取る方への配慮です。そして、不祝儀用の袱紗か地味な風呂敷に包んで持参します。受付で差し出すときは、相手に自分の名前が向くようにします。また、霊前に直接差し出すときは受付での場合とは反対に、名前を手前(自分の方) に向けてお供えします。

 包む金額は、お布施なのでいわゆるお心持ちです。故人との関係や親しさの度合い、また、布施する側の社会的地位や経済状態によっても違ってきます。どうしてもご自身で金額を決められない方は、相場なるものが存在しているようですので、検索してみるのも参考になろうかと思います。なお、通夜、葬儀のいずれにも出席できずやむを得ず現金書留で郵送する場合には、お香典と共に、お悔やみの手紙を添えるようにします。

 このように手間をかけることによって、故人のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の悲しみを思いやるのですね。今日も楽しい一日を。