お墓について

 今日はお不動さまのご縁日ですね。あちこちで、護摩が修法されているのでしょう。曇り空の京都東山です。

 さて、興味深い記事がネットに上がっていました。要約しますと、Aさんは自分の死後は家族に負担をかけたくないという思いから、「墓はいらない、海に散骨してほしい」とエンディングノートに書いていました。それを見つけた家族は、その遺志を叶えるために散骨しようとしました。墓を建てるとなるとそれなりの費用がかかりますし、後々、法事だ墓参りだ墓地管理料だと、確かに負担がかかります。ところが、それを知った親戚たちは猛反対されて、「なぜ先祖代々の墓に入れないのか」「故人を海に捨てるつもりなのか」「墓がないとは一体どこにお参りに行けばよいのか」などと言われ、結局押し切られて散骨をやめることになったというのです。挙句の果てに、この件がきっかけで親戚とは疎遠になってしまい、今までのように墓参りの際に親戚の家に泊まることもはばかるようになった。というお話です。

 親戚が少ない、友人知人がいないといえども、誰かと関わりあって暮らしているはずですので、ご自身は墓は不要だと思っても、残される側は、お墓参りに行って故人を偲びたいという考えを持たれているかもしれません。散骨でよいなどと自分で決めて逝ってしまうのは、単なるわがままなことではないでしょうか。

 このようにどうしても散骨がよいのであれば、その理由を回りの人に説明して納得してもらえるよう事前に相談することが必要ですね。何でも和合は大切です。

 お墓は残された人たちがご先祖、故人を偲び、さらに次の世代まで、ご先祖を弔っていくところです。本当に家族、子供のことを思うのなら、まずは墓の大切さや護っていかなければならないということを教えるべきだと思うのです。今日も楽しい一日を。