長雨もあがって、今日はいいお天気になりました、京都東山です。さて、これは柄香炉といいまして、法要のときに仏さまを礼拝するときに用いる香炉です。登降檀や、表白を唱えるときに用います。持ち運びしやすくするために、置香炉に20から30センチの柄をつけたものです。
起源については、インド・ガンダーラの彫刻の中に、柄香炉を持つ仏像があるといわれているそうです。わが国には仏教伝来と共にもたらされ、法隆寺伝来の慧慈法師所持と伝えられる鵲尾形香炉が最も古式で飛鳥時代のものだそうです。
柄香炉は、その形状から、鵲尾形柄香炉、獅子鎮柄香炉、瓶鎮柄香炉、蓮華形柄香炉の四種類に分けられます。雙林寺には、蓮華形柄香炉があります。全体が蓮華の形をしたもので、炉部分は開敷蓮華、台座は蓮葉を裏返しになっています。柄の部分は、蓮茎を形どっています。蓋は蝶番で留められています。この形式のものは、鎌倉時代以降のものだそうです。
いつも当たり前に置いてある仏具を調べてみるのも楽しいですね。今日も楽しい一日を。