中啓

 

 これを「中啓」といいまして、素絹、五條袈裟を着用した時の持ち物の一つです。決して、落語の時のうどんを食べる箸や、チャンバラトリオのハリセンとしては使いません(笑)

 Wikipediaには、、、中啓は親骨が要よりも外側に反ったかたちをしており、折りたたんだ時、銀杏の葉のように扇の上端がひろがる。「啓」とは「啓く」(ひらく : 開く)という意味で、折り畳んでいながら上端が「中ば(半ば)啓く」という状態から中啓と名付けられた、、、と記されています。さらに調べますと、中啓は扇子と同じだそうで、座って挨拶をする時に、胸元から畳んだ状態の扇子を自らの膝前に置き、それを境にするように相手に礼を行う。これは扇子に自他の境をつくる結界としての役割をもたせたものである、、、とも。そうなのか、座った時に自分の前に中啓を置くのは、常に相手を上、自分を下にすることだったのか。

 そんなことはつゆ知らず、普段は、ロウソクの火を消したり、お経本を畳の上に直に置かないように中啓の上に置いたり、立ったり座ったりする時の杖代わりに、法要中には先で床を叩いて合図にと、そんなことに使用しています。色も、赤染、黒骨、生地の三色があり、法要の内容によって使い分けられています。

今日も楽しい一日を。