仮の城

 今日も寒暖の差が激しい日になっています。さて、東山山頂公園まではたった20分くらいで登れるのですが、初めのころは体力がなく、途中で息切れして、少しの間休んでしまったことがあります。そこで、ぼんやりと化城喩品を思い出します。

 Wikipediaには、、、宝のある場所(宝処)に向かって五百由旬という遥かな遠路を旅する多くの人々がいた。しかし険しく厳しい道が続いたので、皆が疲れて止まった。そこの中に一人の導師がおり、三百由旬をすぎた処で方便力をもって幻の城を化現させ、そこで人々を休息させて疲れを癒した。人々がそこで満足しているのを見て、導師はこれは仮の城であることを教えて、そして再び宝処に向かって出発し、ついに人々を真の宝処に導いた。この物語の導師は仏で、旅をする人々は一切衆生、五百由旬の道のりは仏道修行の厳しさや困難、化城は二乗の悟り、宝処は一乗の悟りであり、仏の化導によって二乗がその悟りに満足せずに仏道修行を続けて、一乗の境界に至らしめることを説いている。法華経では、遥か昔の大通智勝如来が出世された時、仏法を信じられず信心を止めようと思った人々が、再び釈迦仏の時代に生まれて仏に見(まみ)え、四十余年の間、様々な教えを説いて仮の悟りを示し理解して、また修行により真の宝である一乗の教えに到達させることを表している、、、と書かれています。

 そして、休憩しますともう少し頑張って山頂まで登り切ろうと思い直します。大峰山では大峰山寺を目指しますが、途中、茶屋やお助け水処で休憩しながら登ります。まさに幻のお城です。荒行場で修行を終えたら宝のある場所に辿り着くのです。また私は違う解釈としてそんなに頑張らなくても休み休みでいいよ、のようにも思えます。

 あれやこれやと一生懸命やっていますと、今日もどこかで誰かが応援してくれているんじゃないかと思うのです。願以此功徳 普及於一切 我等與衆生 皆共成仏道 今日も楽しい一日を。