花びら餅



京は気持ちいい快晴です。

今年も「花びら餅」がお供えされました。ごぼうと白味噌餡とピンク色の餅を、餅もしくは求肥で包んだ和菓子です。やはり京都のお菓子なのか、他府県の知り合いに聞いても知らない人が多いように思います。

この和菓子の特徴は、何といっても「ごぼう」が入っているところです。和菓子にごぼうとはミスマッチな感じなのですが、甘く煮てあるごぼうと白味噌餡の甘さが相まって、とても美味しいお菓子です。調べてみますといわれは古く、平安時代に宮中で行っていた新年行事「歯固めの儀」で、餅の上に赤い菱餅を敷き、その上に猪肉や大根、鮎の塩漬け、瓜などをのせて食べていたものが、だんだん簡略化されて、餅の中に食品を包んだ「包み雑煮」となり、さらには、雑煮は餅と味噌餡でかたどったものに、鮎がごぼうとなり、花びら餅の原型になったのだそうです。

そもそもの「歯固めの儀」は、歯ごたえのあるものを噛むことで歯を丈夫にして健康長寿を願う儀式なので、古の宮中行事に思いを馳せながら、ごぼうをしっかり噛んでこの花びら餅をよばれることにしますか。今日も楽しい一日を。