朱印について

今日も雨です。

稀に、朱印を送ってもらえませんか、とご依頼があるのですが、お断りしています。それは、もともと朱印は、寺に写経を納めた時に発行される受付印でしたが、現在は「参拝の証」として渡されているからです。したがって、「参拝」という宗教行為がないと、発行されないことになります。

昨今、オークションなどで販売され、問題視されていますが、おそらく、朱印に添えられた揮毫が芸術品としての価値も生んでいるからなのだと思います。寺へ参拝に行く信仰の励みや記録、思い出として集めるのはよいのですが、売買に信仰はないので、よろしくないというのでしょう。

しかしながら、寺としては、参拝者を増やして、仏さまの威光倍増を祈り、参拝者へ良いご縁が施されるようにと願っています。そのための方策として、限定朱印など様々な朱印を発行するようになってきました。朱印をきっかけとして、寺に興味を持ったとか、参拝方法を知ったとか、お坊さんと話をして仏教に触れられたなど、朱印が寺とみなさまとの懸け橋となっているのも間違いありません。

そういう意味で、朱印の芸術的な部分や収集にだけに目を向けるのではなく、朱印の本来の意味をお考えいただいた上で、仏さまとのご縁を結んでもらいたいと思うのです。

南無大恩教主釈迦牟尼如来 今日も楽しい一日を。