薬師如来縁日

薬師如来坐像(雙林寺蔵)
 概ね晴れ空の京都東山です。今日はいわゆるお釈迦さまのお誕生日です。この日に「誕生仏」に甘茶をそそぐ行事を、「灌仏会」・「降誕会」といい、一般的には「花まつり」といわれています。花御堂が設置されている寺院で、甘茶を潅いでお祝いしましょう。

 そして、毎月8日は薬師如来さまのご縁日となります。お薬師さまの梵名は、バイシャージャヤグルといいまして、「医者の師」と訳されます。薬師瑠璃光如来などとお呼びし、東方瑠璃光世界の教主をされています。他にも、瑠璃光如来、 医王薬師如来、大医王仏などとも呼ばれていまして、私たちの病気を治し、安楽を与えてくださる仏さまとして有名です。

 菩薩としてお修業されていた頃、十二の大願を立てられ、その七番目に、「病の者も、私の名前を聞けば思いが除かれる」とあり、これが薬師信仰の始まりとされています。特徴としては、左手にお持ちの薬壺が目印です。

 ただし、決して病気のときだけに祈願する仏さまではないと思います。つまり、お医者さんに掛かって、どうにもならない状態になってから、お縋りに来るのではないということです。奇跡的に快復される方もおられないとはいいませんが、病気になると薬を飲んだり病院へ通ったりと、時間も費用もかかります。何よりも健康が一番いいに決まってます。普段からお薬師さまにお参りに行くことで、健康についてよくよく考えてみることが必要なのです。お若い人は健康な方が多いですから、あんまりわからないことかもしれません。

 延暦寺根本中堂の御本尊でもありますから、多くの天台宗寺院でお祀りされている仏さまです。 おんころころせんだりまとうぎそわか 今日も楽しい一日を