励む人

しょうぐうさん
 曇り空の京都東山です。時折、雨が降っています。気温も下がって、花冷えな感じです。

 さて、昨日のお話の続きになりますけれど、励む人になれば、悩みは消えていくというようなお話をしました。しかし、そううまくは行かないものです。

 そこで解決する方法のひとつに「祈祷」があります。誤解されておられる方が多いように思うのですが、祈祷によって、仏さまの神通力で魔法のように悩みが解消されたり、願い事が叶うわけではありません。決して、楽をしながら成功する方法ではないのです。

 やはり、努力なくして成功する方法はありません。「お金持ちになりたい」と祈祷を依頼しても、お金が仏さまから直接送られて来ることなど、あるはずがありません。問題の原因は何か?解決策は?どうすれば叶えられるのか?ご自身の努力なしではどうにもならないのです。その努力によって、運もまた開けていきます。「私はこういう運命として生まれてきたから仕方ない」とかいうのは、あきらめや言い訳です。自ら努力をする人は運命を変えられますし、運も味方をしてくれるのだと思います。

 そのためにも、祈祷によって仏さまからのお力をお借りして、自分の中の仏さま(=「仏性」ぶっしょう)に目覚めていただきましょう。そうすると力がみなぎり、最大の努力が出来るようになります。自分の努力を後押ししてくださるとでもいいましょうか。そして、その苦しい努力をした結果、人間の力ではどうにもならないこと、すなわち「良いご縁」を仏さまに結んでいただくのです。折角の努力も裏目に出てしまっては、苦労も台無し、くたびれもうけ、水の泡になってしまいます。

 また、その運が続くようにするためには、お世話になったすべての人たちに感謝する心がなくてはなりません。自分一人の努力だけでなし得ることはないからです。みなさまからいただいたお力に御礼をする、自分のできることをして差し上げる、つまり、布施をしていくのです。もちろん仏さまに対してもです。仏教では、こういうことを「報恩謝徳(ほうおんしゃとく)」といいます。

 ということで、みなさまのご多幸、ご健康を心よりお祈りいたします。今日も楽しい一日を。