青空が広がるいいお天気の京都東山です。今日は大安です。「吉日にてすべて進んでよし」となります。寒の戻りで気温が下がりましたから、桜の開花も遅くなって、今年は比較的長く花を楽しめるそうです。今朝も早くから外国人観光客の方が散策されていたりで、雙林寺界隈は連日賑わっています。
さて、年度末になりました。多くの会社や団体、学校では、今日で会計の決算をしたり、仕事の区切りをします。雙林寺も年度末です。
また、この時期は、入学、卒業、就職、転勤、異動など、大きく環境が変わる人も多い季節です。新しい環境での生活に意欲的な方もおられるでしょうし、いよいよその時が来たかと、終わりをかみしめる方もおられることでしょう。
このように、日々物事は変化します。楽しいことも悲しいこともいつまでも続かないですし、止まない雨はないように、常に移り変わります。
お寺では桜が咲くころに、花を「無常」の象徴として法話で語られることがあります。桜の花は満開でも、すぐに散り始めて、あっという間に葉桜になってしまいます。花が咲けば散って実がなり、その実が土に落ちると芽が出て、苗木はやがて育って樹となり、また花を咲かせる……という無常のたとえです。無常というのは、常が無いということですね。いつまでも変わらないものは何もないと仏教では説かれています。「諸行無常」です。
さらに花は誰の為にでもなく、時期が来れば見返りを求めることもなく、周りの人を楽しませるように咲いて、静かに散っていきます。このように、私たちも「忘己利他」の精神で一隅を照らす暮らしをしたいものです。
年度末はバタバタと忙しくて疲れますから、公園などへ赴いて桜を鑑賞しながら、ホッと一息、気持ちを休めてくださいね。今日も楽しい一日を。