立春

 曇り空の京都東山です。昨日は豆まきや、恵方巻きを召し上がったりされましたでしょうか。恵方巻きは年々巨大化しているのか、我が家は、お大黒と半分にして食べましたよ。

 そのほか、節分にお寺で行われる行事は「日数心経」です。般若心経を1年の日数分、つまり365回読んで、向こう1年の除災招福を祈る法会です。しかし、1人で唱えるとなるとたいへんなので、複数のお坊さんが交代で読まれたり、たくさんの檀信徒さんが集まって、例えば365人集まれば、1回で済ませるという効率化を図るところなど、さまざまです。

 ということで、立春を迎えました。「立春大吉」と書いた御礼を玄関先に貼るご家庭も多いのではないでしょうか。もともとは禅宗の寺院の門に貼られていた風習なのだそうです。

 この御礼には意味が隠されていました。まず、この四文字は縦書きでないといけません。なぜかと申しますと、この文字は裏返しにしても「立春大吉」と読めるからです。よく見ると、左右対称になっていますよね。もしも鬼が家に入ってきたとしたら、その鬼は家の中からつまり、御札の裏側からも「立春大吉」を見ることになります。それを見た鬼は、裏から見たことを勘違いして、「次の家に入ってやろう」と玄関を通っていくことになります。つまり、さっさと出て行ってしまうということなのです。これで、一年間災難に遭わないとか、平穏に暮らせるというおまじないになったということです。

 「立春大吉」のほかにも、「角大師」や「十二月十二日」の御札を貼って、よろしくないものの無断侵入はお断りですね。今日も楽しい一日を。