水焼香

 いいお天気の京都東山です。朝から神戸市まで葬式に行ってまいりました。習慣の違いといいますか、京都ではやらないことがいくつかありました。まず、友引の日に葬儀がありました。昔からの習慣で友引という字から故人が友も一緒にあの世に連れて行くと言われていたので、友引に葬式は行われることはあまりないのです。仏教とは関係ないお話ですが、このことによって、火葬場がお休みのことが多いです。

 それから、「水焼香」なる作法がありました。水なのに焼香とはこれ如何に?ですよ。セレモニーホールの方に教えて頂いたのですが、火葬場の炉の前で、水に浸した「樒(しきみ)」を、棺に向かって3回、浄水を手向け供養する作法です。そのため、火葬場の焼香箱の代わりに、水の入った器と「樒」の一本枝が用意されていました。

 葉や枝に強い香りをもつ「樒」は、その毒性と強烈な香りを放つので、この香りによって獣を寄せ付けず、お葬式の際には、ご遺体が腐敗していくときに生じる臭いをわかりにくくさせるという役目も持っていることにも関係するのかもしれません。いろいろと作法は違いますけれど、亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。今日も楽しい一日を。