そうめん

 

そうめん
 曇り空の京都東山です。お盆が終わって、地蔵盆がやってくるまでの間、つかの間のほっと一息です。

 さて、七十二候では、「蒙霧升降(ふかききりまとう)」を迎えました。春の「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」と対になっている一候です。霧も霞も空気中の水蒸気が小さな水滴となってガスのような状態になる現象ですが、春は霞(かすみ)といい、秋は霧(きり)と呼びます。もしかすると、霧は季節を問わず、年中通じる呼び方なのかもしれません。

 ところで、暑いときは我が家では昼食に素麵をいただくことにしています。そうめんの由来について検索してみますと、ルーツは、奈良時代に伝来した中国の「索餅(さくべい)」という小麦粉料理なのだそうです。索には縄をなうという意味があり、索餅とは、縄のようにあんだ小麦粉のお菓子のようなものだと考えられています。

 その後、鎌倉時代から室町時代頃に、小麦粉の生地を麵状に手延べする方法が中国から伝わり、「そうめん」が生まれたそうです。「索餅」から「索麺」となり、「素麺」となったわけです。「索」の字を崩して書いたのが「素」の字とみられ、「素麺」と誤記したものがそのまま名称になったそうです。読み方も「索麺」の「さくめん」→「さうめん」→「そうめん」に音が変化していったとのことです。

 そうめんをお盆のお供物とするときは、細く長く幸せが続きますようにとの願いが込められているという説や、ご先祖さまが乗る馬にお土産を括り付ける綱だとか、馬の手綱に見立てているという説などもありました。いずれにしても、ひんやりとしてのど越しよく美味しいですね。今日も楽しい一日を。