五山送り火

 どんよりとした曇り空の京都東山です。今夜は夏の夜空を彩る「京都五山送り火」の日となります。「大文字焼き」ではなく、「五山送り火」と呼びますよ。大文字焼きは、「銀閣寺キャンデー店」という銀閣寺道にあったお店で売っていましたが、惜しまれつつ閉店してしまいました。雙林寺周辺からも五山すべてではありませんが、木々の隙間から辛うじて鑑賞することができます。

 五山送り火は、お盆にお迎えしたご先祖さまをお送りする送り火を意味しています。また、これら5つの送り火はすべて京都市登録無形民俗文化財に指定されています。起源ははっきりとわかっていないようでしが、江戸時代中期には現在の形になっていたそうです。東山如意ヶ嶽の「大」の字が午後8時に最初に点灯し、左へ「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」と5分ごとに点火されていきます。それぞれ約30分間ほど点りますが、風の強さや雨などによって、しっかりと点灯しない年もあります。

 一方、京都では、8月16日に、海藻の一種であるアラメを使った「アラメと油揚げの煮物」を作ってお供えします。料理名は、「アラメの炊いたん」でしょうか。このとき、アラメの真っ黒な茹で汁を家の玄関や戸口に撒く習慣があります。そうすることで、ご先祖さまが、この世に未練を残すことなく、あの世へと戻っていくことができるといわれています。「追い出しアラメ」と呼ばれます。なぜ、アラメなのかよくわかりませんけど。

 ということで、今日は送り火を見ながら、ご先祖さまをお送りしようと思います。今日も楽しい一日を。