夏の土用入り

 雲は多いものの概ね晴れ空の京都東山です。朝から30℃を超えて暑いです。

 さて、今日の暦には「夏の土用入り」と書いてあります。土用とは、陰陽五行思想を取り入れた暦文化です。これは、季節の移り変わりを把握するためにつくられた日本独自の暦「雑節」のひとつでもあって、雑節には土用のほかに「彼岸」「節分」「八十八夜」「二百十日」などがあります。

 それで、土用なのですが、陰陽五行思想に季節をあてはめようとすると、春=木、夏=火、秋=金、冬=水となって、「土」が余ってしまいます。そこで、「土」にあたる季節を作るために、各季節の終わりの1/5の期間を土用としたそうです。したがって、各季節ごとに土用があって、土用に入った最初の日を「土用の入り」、最後の日は「土用明け」と呼ぶのですね。ただ、夏の土用の丑の日には鰻を食べるという習慣が有名で、土用といえば夏だと勘違いしてしまうわけです。

 うなぎ以外にも、丑から「う」がつく食べ物(うなぎ・梅干し・瓜・うどん)や、黒い食べ物(シジミ・ナス・黒胡麻・黒豆など)を食べると縁起がよいと言われています。ちなみに、今年の夏の土用の丑の日は、7月24日(水)と8月5日(月)ですので、2回、うなぎチャンスがありますよ。

 夏に限らず、土用の時期は、季節が移り替わる時季で、体調を崩しやすくなります。巷では熱中症や、新型コロナウィルス「KP.3株」が全国的に感染の拡大傾向で「第11波」に入ったとの見方もあります。縁起物を食べて、養生しながら体を労わり、日々を丁寧に過ごして夏を乗り切りましょう。今日も楽しい一日を。

●ちょっと読んでみたい気がする「うなぎの夏」

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