七仏通戒偈

 

 曇り空の京都東山です。昨夜は、祇園祭前祭の宵山で、約25万7000人の人出だったそうです。相変わらずの賑いでした。

 今日は「大安」「一粒万倍日」が重なる開運日となります。朝から、山鉾巡行が行われています。恐らくその取材ヘリコプターがブンブンと飛んでいて、うるさいですよ。

 祇園祭は、八坂神社の祭礼で、古くは、祇園御霊会と呼ばれ、貞観11(869)年に疫病が流行したとき、平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の矛を立て、祇園の神さまを祀り、さらに神輿を送って、災厄の除去を祈ったことが起源と言われています。

 ところで、山鉾の中に「白楽天山」という山があります。白楽天山のホームページによりますと、【白楽天山は、唐の詩人である白楽天が、老松の上に住む道林禅師を訪ねる場面を表しています。白楽天は、白地の衣装に唐冠をかぶり、「しゃく」を両手に持ち、道林禅師の答えを承る姿勢で立っています。また道林禅師は、紫衣と藍色の帽子を着け、手には数珠と払子を持ち、松の皮の上に腰かけています。白楽天から仏法の大意を問われた道林禅師が「悪いこををせず良いことをすること」と答えると、白楽天は「そんなことは子供でも知っている」と言います。道林禅師は「その通りである。しかし八十歳の翁でも行い難いことではないか」と説かれ、白楽天は感服します。白楽天の求道心と悟りにあやかり、学問成就の御利益があるとされる山です。】

 これは、「七仏通戒偈」というお経のお話で、この短いお経の中に仏教のすべての教えが含まれているとされるほど重要な内容となっています。「諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教 (あらゆる悪をなさず、もろもろの善を実行し、みずからその心を清らかにすること、これこそ諸仏の教えである) 」という意味です。

 山鉾を見に行かれたときには、必ずこの山の前で「七仏通戒偈」を思い出してください。今日も楽しい一日を。