八坂神社

祇園社
 雨上がりの京都東山です。昨日、今年初めてセミの声を聴きました、「初蝉(はつぜみ)」ですね。さて、7月の京都は祇園祭一色な感じですが、祇園祭は八坂神社の祭礼ですね。

 八坂神社の発祥はよくわかっておりませんが、天台宗的なことと言えば、もともとは「祇園社感神院」という天台宗の寺院で、古くは天台座主が寺務を統括する別当(住職)を兼務していたという由緒のあるお寺でした。現在でも千日回峰行者がお立ち寄りになられて勤行をされ、信者の方へお加持を施される場所となっています。

 都名所図会(1864年)を見ますと、薬師堂に元三大師堂、大日塔(仏塔)がありますね。ここのお薬師さまは現在は、東山二条にある大蓮寺にお祀りされています。このお薬師さまは、伝教大師作とも伝えられていますので、雙林寺の発祥と共に本殿の西にあった観慶寺が建立されたのではないのかなあと私は勝手に推察しています。その後、明治の廃仏毀釈によって、感神院は廃寺となり、「祇園社」を八坂神社と名称を改めて、現在に至っているということです。

 また、神仏習合の時代において、神社に仕える僧を「社僧」と呼ぶのですが、その僧らは、「祇園の三院五坊」といって、宝寿院・宝光院・神福院、竹坊・松坊・東梅坊・西梅坊・新坊のいずれかに所属していました。廃仏毀釈によって、院坊は取り壊され、僧たちも還俗したようです。

 で、最後になりましたが、雙林寺では、東梅坊におられた僧侶のお墓をお護りしています。今日も楽しい一日を。