キクタニギク

キクタニギク
 今日は曇りの京都東山です。さて、写真は京都ゆかりの菊の展示会から「キクタニギク」です。もともと東大谷山と高台寺山との谷間を菊渓といいまして、そこを源流に雙林寺南側を西へ流れていく川を菊渓川と呼んでいました。その川沿いに自生していた菊のことで、地名から名付けられたそうです。

 しかしながら、現在は絶滅危惧種とされ、地元の菊渓川では絶滅したと記されました。キクタニは、菊渓、菊谷、菊澗とも書かれます。

 寛政11年(1799)年に刊行された「都林泉名勝図会」の雙林寺長喜庵のページには「菊渓」の文字があり、恐らく川からの引き込みだと思われますが、水が流れている様子が描かれています。

 この川は、東山から長喜庵の南側を流れ、建仁寺を通り、鴨川に注いでいました。八坂神社南側の地域を下河原町と呼ぶのはその河原があった名残です。現在は、岡林院さんあたりから地下にもぐっているので、どこを流れているのかはわかりません。

 京都伝統文化の森推進協議会では、昔のように菊渓にキクタニギクを復活させようと、平成28年度からボランティアの方々と植栽活動が行われています。東山トレイルを歩くと山頂近くで、見つけることができますよ。今日も楽しい一日を。