しょうぐうさん |
大般若転読会法要は、 660年正月に、 玄奘三蔵が翻訳をはじめ、 663年10月に完成したとき、 慶賀のために斎会を設けて供養し、講読したのが始まりといわれています。 当初、この経典は鎮護国家・除災招福の為に修せられるようになりました。
日本では40年後の703年 「続日本紀」第三・文武天皇の条に、「四大寺に詔して大般若を読ましめ一百人を度す」とあり、708年には「大般若会」が恒例となり、725年正月には聖武天皇が除災招福の為、僧侶六百名を請じて宮中に於いて大般若会読誦会を行いました。その後、808年平城天皇のときには、鎮護国家・除災招福の為に諸大寺畿内七道諸国に転読を命じ、全国の寺々で修せられるようになりました。
本来は、100乃至600名の僧侶が一人あたり六巻または一巻を読誦するのが本儀ですが、略儀として現行のように転読が行われるようになりました。おそらくご承知のことと思いますが、「大般若経」は、600巻、およそ600万文字もあるというお経ですから、お坊さんだってそう簡単には読誦できないものです。
各宗派によって作法は違いますが、まず初めに「大般若波羅蜜多経 巻第○○(巻数) 唐三蔵法師玄奘奉詔訳ー!!」と読んで、あとはパラパラと上から下へ経本を広げて、読んだことにします。これを「転読」といいます。大声で一斉に読み始め、転読中はこの言葉を唱えています。
「諸法皆是因縁生。 因縁生故無自性。 無自性故無去来。 無去来故無所得。無所得故畢竟空。 畢竟空故是名般若波羅密。 南無一切三宝。 無量広大。 発阿耨多羅三藐三菩提心。」そして最後に「降伏一切大魔最勝成就ー!!」と大きな声で唱えて経本をバン!と箱に打ち付けます。一巻ごとに経典の功徳によって一切の大魔を降伏するよう一心に祈願するのです。
お寺によっては太鼓が打たれたりする威勢のいい法会です。どうぞおまいりくださいますようご案内させていただきます。今日も楽しい一日を。