蚯蚓出

 いいお天気が続いています京都東山です。季節は七十二候「蚯蚓出(きゅういんいずる)」を迎えました。蚯蚓(きゅういん)は、ミミズのことで、そろそろお出ましになる頃ということですね。

 いつからでしょうか、ミミズを見ることはなくなりました。私が子どもの頃はスコップで境内を掘って遊んだりしていましたので、ミミズが出てくることもよくありました。もしかすると、都会の子どもたちはミミズを見たことがないとか知らないかもしれませんね。

 ミミズには目はなくオスメス同体で、見た目はあまりよろしくありません。釣りの餌として一般的で、乾燥すると漢方生薬の解熱剤になります。またミミズは腐葉土を食べて、窒素やリンを含んだ糞を出します。その糞に小さな微生物たちが住み着いて、さらに分解されて、肥沃な土が出来上がります。そしてそこに植物が育ちます。つまりミミズがいるところは豊かな土壌なのです。

 鳥や小動物の餌食になっていることもありますが、一連のサイクルを考えますと、自然界の食物連鎖、命の積み重ねのありがたさがよく分かりますよね。今日も楽しい一日を。