お地蔵さまご縁日です

地蔵菩薩 雙林寺蔵
 雨の降る京都東山です。今日は「一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という一粒万倍日となります。開運日とともに「陰徳を積み慈悲を施し、善事を行う日」です。種を大切に育てるように、つまり、「積善の家に余慶あり」ということを認識する日となります。そして、お地蔵さまのご縁日ですね。

 お地蔵さまは長者のお釈迦さまがこの世を去られてから56億7000万年の後に弥勒菩薩さまがお出ましになるまでの「無仏世界」と呼ばれる期間、私たちを導きお救いくださる仏さまです。

 長者の息子で、獅子奮迅具足万行(ししふんじんぐそくまんぎょう)如来という仏さまに出会い、そのお姿の尊さ、お美しさに感動され、「私も六道の罪で苦しんでいる人たちを救い仏になろう」とお誓いをたてられ、今もお修行されています。地蔵の「地」は大地を意味します。大地には生命の生存に必要な資源が備わっています。すなわち、お地蔵さまには、宝を蓄えている生命の蔵であるかのように、無限の慈悲を抱いておられるのです。

 丸い童顔に赤い涎掛けの僧形は、親しみやすく、我々を和ませてくださいます。道祖神的な信仰もあり、時代劇でもよく見かけます。お地蔵さまには様々なお話がありますが、お地蔵さまを拝むときは大地の恵みにも感謝していただけると幸いです。おんかかかびさまえいそわか 今日も楽しい一日を。